財布が太って思い出す

小銭で財布が太ってしまって、主人のことを思い出した。

 

主人は大抵のことは「エエと思うで」、「エエんちゃう?」と

肯定してくれた。こちらが心細くなるくらい何についても

否定せず許してくれた。

 

そんな主人がごくまれに私に「イエローカード」を出してきた。

例を挙げるとするとまず「レジでのお金の支払い方」が挙がる。

その方法とは「お金を支払う前に何円玉が何枚あるかチェックして、

支払う値段が分かった瞬間、間髪入れずスマートに支払う」という

ものだ。支払う値段を聞いてから小銭をジャラジャラ探っては

よく怒られていた。

 

だからなるべく普段から使えるだけ小銭を使ってあまり財布に小銭を

溜めないようにしていた。しかしなぜか昨日は財布が小銭で太って

しまっていた。これは私の中から主人が消えつつある証なんだろうか?

 

主人を思い出すと辛くなることもあるので、あまり思い出さないように

しているかも知れない。しかし覚えていたいことまで忘れてしまうのでは

困る。心の整理方法を考えなければいけないと思った。

 

 

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